BNR32 History & Models



モデル
発表日
発売日
価格
前期型 1989年5月22日 1989年8月21日 445.0万円
ニスモ 1990年2月22日 1990年3月11日 441.0万円
N1 1991年7月19日     430.5万円
(509.0万円)
中期型 1991年8月20日     451.0万円
後期型 1993年2月3日     454.5万円
Vスペック 1993年2月3日     526.0万円
(525.0万円)
VスペックU 1994年2月14日     529.0万円
※( )内の価格は 1993年8月19日(R33スカイラインへのフルモデルチェンジ)以降の価格。
[ 関連ページ ]
 ・BCNR33 History & Models
 ・BNR34 History & Models



〜 前期型 〜

スカイラインが8代目としてフルモデルチェンジし、16年ぶりに復活したGT-Rがこのタイプである。

直列6気筒DOHC24バルブ、ツインターボで280馬力を出力するエンジン。電子制御で前輪:後輪のトルクを0:100〜50:50まで可変させるトルクスプリット4WD ATTESA E-TS。さらに4輪操舵システムのSUPER HICAS。4輪マルチリンクサスペンションなど日産の最新技術を投入し、グループAで勝つために開発された車である。

保安基準改正前だったため、後に登場するニスモの1400kgに次いで軽い1430kgであるため、いまだに一部のスポーツ走行重視派のユーザの間で人気がある。



〜 ニスモ 〜

グループAレースに参加するための車両公認を取得を目的とし、実際に生産された台数は560台であるが、そのうちの60台はレースで使用されたため、500台限定で販売されたモデルである。生産数が少ないことから、抽選になるほどの人気となった。

外見での大きな変更点はバンパーに2つのダクトを設けたこと、インタークーラーグリル(金網)の廃止、小型のリアスポイラーやフードトップモールなどのエアロパーツを追加、あとは軽量化のためにリアワイパーが省略された。また、軽量化ということでレースに必要ないエアコンやオーディオ、ABSも取り外されている。

エンジンに関してはレースでの耐久性を考慮し、タービンの材質をセラミックからメタルに変更している。基本的な仕様はセラミックのものと同じだが、A/Rをやや高速走行向けのものに変更するなど、細かなリファインを施してある。


〔主な変更点〕

・ターボチャージャーのタービンホイール材質をセラミックからメタルに変更
・フロントバンパーにエアインテークダクト2個を追加
・ボンネットにフードトップモールを追加
・インタークーラーグリルの廃止
・サイドシルプロテクターの変更
・小型リアスポイラーの追加
・リアワイパーの廃止
・ABSの廃止
・アクティブアメニティシステムの廃止



〜 N1 〜

1991年から始まったN1耐久シリーズの参加者向けに設定されたモデルである。もともとN1レースとは、量産ツーリングカー(連続した12ヶ月間に5000台以上生産された市販車)としてJAFに公認された車両およびJAF登録車両で行うレースである。

軽量化、耐久性向上などの対策はニスモと同様の手法で行なったほか、耐久性の面で不安があったブレーキローターのピンホールを廃止(クラック対策)し、ブレーキ冷却用の導風板が追加された。


〔主な変更点〕

・ターボチャージャーのタービンホイール材質をセラミックからメタルに変更
・フロントバンパーにエアインテークダクト2個を追加
・ボンネットにフードトップモールを追加
・インタークーラーグリルの廃止
・ブレーキ冷却用導風板を追加
・ブレーキローターのピンホールを廃止
・リアワイパーの廃止
・ABSの廃止
・アクティブアメニティシステムの廃止
・ヘッドライトをプロジェクター式から異形2灯式に変更
・ボディカラーは専用色のクリスタルホワイト(326)のみ



〜 中期型 〜

保安基準改正に伴い安全面の見直しが行われた。GT-Rを含むスカイライン全車に行われ、サイドドアビーム、転倒時の燃料流出を防ぐロールオーバーバルブ、シートベルト警告灯などの追加装備が主であった。

ヘッドライトのプロジェクターレンズが大型化され、バルブがH3からH1に変更された。インテリアにも、センターコンソールのクラスターリッドがシボ加工品になったり、4WAS警告灯の表示が 『ANTI-LOCK』 から 『ABS』 に変更されたりと、若干の変更が加えられている。

BNR32を前期/後期で分けた場合、このマイナーチェンジ以降を後期型とする場合が多い。


〔主な変更点〕

・サイドドアビームの追加
・シートベルト警告灯の追加
・ロールオーバーバルブの追加
・ヘッドライトのプロジェクターレンズ大型化
・ヘッドライトのバルブをH1に変更
・センターコンソールのクラスターリッドをシボ加工品に変更
・4WAS警告灯の表示を 『ANTI-LOCK』 から 『ABS』 に変更
・衝撃吸収ステアリングパッドの採用
・室内難燃化材料の採用
・ロールオーバーバルブの採用
・運転席SRSエアバッグをオプション設定
・ボディカラーにスパークシルバーメタリック(KL0)、グレイッシュブルーパール(BL0)を追加
・ボディカラーでクリスタルホワイト(326)をGT-Rでも選択可能にした
・ボディカラーからジェットシルバーメタリック(KG1)を廃止



〜 後期型 〜

このマイナーチェンジは、主にクラッチの構造が見直された。ブースター付きの油圧作動は共通だが、動作方式を今までのプッシュ式からプル式へと変更、それに伴いクラッチカバーの取り付け荷重も750kgから850kgへと強化され、クラッチペダルの操作性や確実性が向上している。併せてトランスミッションのシンクロメッシュにも改良が施され、トランスミッションの耐久性、操作性も改善した。特に3速、4速ギアのシンクロ機構の信頼性が上がっている。

また、94年の一部モデルから、リヤデフのカバーがフィン付きで放熱性の高いものから、ローレルと同様の丸型へと、コストダウンが目的と思われる変更があった。

ボディカラーは、ダークブルーパール(TH1)とグレイッシュブルーパール(BL0)の2色が廃止され、全5色となった。


〔主な変更点〕

・クラッチ構造をプッシュ式からプル式に変更
・トランスミッションのシンクロメッシュ機構を改良
・94年モデル途中からリアデフカバー形状を変更
・ボディカラーからダークブルーパール(TH1)とグレイッシュブルーパール(BL0)を廃止



〜 Vスペック 〜

グループAレース3年連続優勝を記念して設定されたモデルである。

最大の変更点は足回りであり、17インチのBBS製軽量ホイール(17×8JJ)に225/50R17サイズのタイヤ(ポテンザRE010)が装着された。またストッピングパワー不足が指摘されていたGT-Rだが、ホイールのサイズアップにより、大型のブレンボ製のアルミ対向4ピストンブレーキキャリパーとローターを装備することができた。

タイヤの変更により、ATTESA E-TSにも最適化が図られ、アンダーステアを低減させることに成功した。タイヤの外形が大きくなったため、全高は15mm高い1355mmとなり、地上最低高も5mm増えた140mmとなった。


〔主な変更点〕

・ブレンボ社製ブレーキキャリパー及びローターの採用
・BBS製17インチアルミホイールの採用
・225/50R17サイズのタイヤを採用
・ATTESA E-TSの最適化



〜 VスペックU 〜

Vスペックに続き、グループAレース4年連続優勝を記念して設定されたモデルである。

変更点は、40/45タイヤが認可されたことによるタイヤサイズの変更のみであり、Vスペックの225/50R17サイズから245/45ZR17サイズへと変わった。

タイヤサイズがアップされたことで、コーナーリングスピードが上がり、また、GT-Rの強力なパワーを路面に伝えることも可能となった。


〔主な変更点〕

・245/45R17サイズのタイヤを採用




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